企業が認知され、そして存在感を表すためにはプレスリリースは有効な手段です。しかし、ただ漠然とプレスリリースを作成し配信しているようでは、良い効果を見込むことはできません。
プレスリリースは、自社のブランドの認知度を高める広報活動の一環として行うものです。しかし、誰もそのプレスリリースを見ないようでは、その効果は発揮されません。プレスリリースを効果的に配信することで、新聞や雑誌、ブログに掲載される必要があります。
今回は、プレスリリース配信にあたり、そのポイントを解説したいと思います。
なぜプレスリリースを配信する必要があるのか
プレスリリース配信とは、記者に自社のプレスリリースを配信することです。
プレスリリースを配信する目的は、新聞、ラジオ、テレビなどのニュースやブログなどのメディアに発信したい情報を流通させることです。そうすることで、自社のブランドを幅広く世間に認知してもらうことができます。
プレスリリースは配信しなければ、そのプレスリリースが読まれることはありません。一方で、プレスリリースを配信し、きちんと報道されたならば、ブランドの認知度は向上し、より自社のビジネスについて知ってもらうことができます。
プレスリリース配信の効果をより具体化して解説します。
プレスリリースは多くの顧客を集客することができる
プレスリリースをきっかけに、自社のサービスや製品を知ってもらうことができます。プレスリリースを目にした顧客が、自社のホームページに流入してくるということもあるでしょう。そして、デジタルの世界においては、あらゆる効果測定が可能です。
プレスリリースを配信したことで、プレスリリースがどれだけの人の目に触れたか、それをきっかけにしてどれだけの人が自社のホームページを訪れてくれたのかを知ることもできます。
プレスリリースは、売り上げに貢献することができる
ターゲットを明確にしたプレスリリースは、売り上げにつながる案件を生み出してくれる可能性があります。そのプレスリリースはどのような人に見てもらいたいのか。そのお客様はどのような課題を抱えていて、どのような商品が欲しいと思っているのか。ターゲティングを明確にしたプレスリリースが適切な顧客に届けば、案件を増やしたり、しいては売り上げを増したりすることに繋がります。
プレスリリース配信はSEO対策に有効
Google検索で上位表示されることは、現代のマーケティングにおいては必要条件です。マーケティングにSEOを取り入れることで、顧客は自然と自社のサービスを見つけ、問い合わせに至るという状況を作ることができます。
従来のように、無理なテレアポを行なったり、あるいは飛び込み営業を行う必要性は下がっています。SEOをはじめとするWebマーケティング戦略を推進することで、自社の製品を必要としている顧客が自社のサービスを自然と見つけてくれる状況を作ることができるのです。
プレスリリースを配信することで、多くの外部リンクを取得することができます。各種報道機関のメディアやブログが、自社のプレスリリースへのリンクを貼り付けてくれるからです。そして、外部リンクを数多く得ることは、SEO対策上非常に有効であると考えられています。
プレスリリースの配信手順
ここまでで、プレスリリースを配信する必要性を解説してきました。
では、実際にプレスリリースはどのように配信すれば良いのでしょうか。
報道機関などの記者は非常に多忙です。一方で、多数の企業がプレスリリースを送りつけています。記者は多数のプレスリリースの中から最もネタになるものを見つけ、記事を書くのです。記者が取り上げることのできるプレスリリースは、有限であることを理解する上で、プレスリリース配信に取り掛かる必要があります。
毎日大量のプレスリリースが送りつけられてくるけれど、全てに目を通すのは無理。何より、書ける記事の数には限界がある。
そこで、自社のプレスリリースこそが取り上げる価値のあるものであるということを証明しなければなりません。以下のポイントを抑え、プレスリリースを配信してみてはいかがでしょうか。
適切な記者を見つける
プレスリリースを取り上げてもらうためには、多くの記者にプレスリリースを送りつけることは必ずしも効果的ではありません。もしマス向けのサービスを展開しているのであれば、そういった手法も効果的に働く場面もあるかもしれません。しかし、残念ながら、多くの場合において、そういったケースは稀です。
そのプレスリリースに興味を持ってくれる記者にそのプレスリリースをお送りする必要があるのです。まずは、プレスリリースに興味を持ってくれる記者を見つけましょう。
Google検索の「ニュース」タブで、適切なキーワードで検索した結果出てきた記事を書いている記者にアプローチするのです。記者の名前と、その記者がどのような記事を書いているかをまとめたスプレッドシートは、プレスリリースの配信計画を立てるにあたって、非常に有効な手法です。
記者とコンタクトを取るためには複数の方法があります。彼らが書いた記事にメールアドレスが記載してあれば、そちらに連絡を取ってみるのも一手です。その他、 SNSの活用もできないかを検討します。例えば、TwitterやLinkedInなどのアカウントを保有している記者も多いものです。
知人の紹介も有効です。例えば異なるIT企業のPR担当同士で横の繋がりがあるのであれば、紹介を依頼するのも一手です。有料ですが、主要メディアの連絡先が一覧化されたリストも販売されているので、もし苦心するようであれば検討してみましょう。
個別化されたメールを作る
どのようなメールを送るのかも大事です。冒頭の一文を記者の注目に値するような内容にしましょう。
このニュースは取り上げなければ！
と記者に思わせることが何より大事です。
さらには、個別化された一文であることも大事です。ワンオブゼムではなく、その記者に向けて書いているということをアピールすることで、メールの開封率も上がることでしょう。
たとえそのメールで記事が作られなくとも、記者との長期的なリレーションを構築することも、目的の一つとして据えておくことが重要です。
メールの件名も非常に重要です。そのメールが開封されるかどうかは、その件名がどれだけ魅力的かどうかに大きく依存します。
プレスリリース配信サービスを活用する
プレスリリースを国内外のメディアに一括配信してくれるサービスが複数ありますので、そういったものの活用も視野に入れましょう。タイトルや本文にこだわるという姿勢は、個別に記者にプレスリリースを送信する場合でも、一括配信サービスを活用する場合でも異なりません。
プレスリリース配信サービスは、無償で利用できるものもあり、プレスリリースに特化したホームページに掲載してもらえるケースも多いため、一見有効な手段に思えます。しかし、一括配信サービスのデメリットは、競合が数多く存在することです。プレスリリース配信は自社の情報を一方的に送りつける作業ではありません。きちんと戦略を持って、どのようなメディアに掲載されたいのか、どれだけの露出をどういったエリアで見込んでいるのかを考慮した上で、実行すべきなのです。
プレスリリースを配信する際の4つの注意点
プレスリリースを配信する際は、そのプレスリリースの内容と送付先をともに改めて確認し、効果をあげるための工夫ができているかを確認します。
プレスリリースが効果を発揮しない理由は二つだけです。まずは、プレスリリースの内容が十分に魅力的でないこと。次に、プレスリリースを送付する相手が間違っていること。この二点のみです。
プレスリリースが思った通りの効果をあげていない場合などに、ご確認ください。
プレスリリースが長すぎる
読むのにあまりに多くの時間がかかるプレスリリースは、読むに値しないと記者から判断されるリスクがあります。あくまでプレスリリースは簡潔に、要点をまとめたものにする必要があります。
まずはリード文に伝えたいことの全貌が簡潔にまとまったプレスリリースになっているかを確認しましょう。そして、本文は、そのリード文を補足する内容にします。
本文で補足するリード文の内容は二つです。
まずは、リード文では割愛せざるを得なかった背景・経緯などです。背景・経緯をしっかりと記載することで、記者の理解を促進させることができます。背景・経緯は、自社が展開しているサービスや商品についての前提条件の理解は一切されていないものだということを前提に書くのがコツです。実際にメッセージを届けたい記者は、その分野の素人だという心づもりで背景・経緯をしっかりと説明します。
次に、リード文を掘り下げた内容を書きます。可能であれば定量的な数値を記載することが望ましいです。
タイトルが記者の注目をひきつけない
プレスリリースで最も重要なのは、「タイトル」です。多忙な記者に、自社のプレスリリースを読んでもらうためには、キャッチーなタイトルでなければなりません。できれば定量効果や数字などを活用しながら、「これは取り上げなければ」と思わせるようなタイトルにする必要があります。
プレスリリースにニュース性・報道価値がない
プレスリリースが、単なる自社の宣伝に終始している場合、そのプレスリリースが世間に取り上げられる可能性はかなり少ないと考えられます。プレスリリースを作成したら、本当にそのリリースにニュース性があるのか、報道価値はあるのかを自問自答すべきです。
もちろん、プレスリリースは営業上のツールにもなり得るので、たとえ報道価値がなくともリリースは出したいという場合があるでしょう。その場合、メディアにそのプレスが取り上げられるのは諦めた方が良いでしょう。
アプローチする記者・メディアを間違えている
もしプレスリリースがあまりメディアに取り上げられないようであれば、見当違いな記者・メディアにアプローチしている可能性があります。極端な例ですが、芸能ゴシップ誌に物理学の新発見に関するプレスリリースを送っても、取り上げられる望みはかなり薄いでしょう。あるいは、プレスリリースの内容と、それを受け取った記者の関心分野や専門分野が異なる可能性もあります。
逆に言えば、好反応を示してくださった記者は希少な存在です。そういった記者とは良好な関係を維持しておく必要があると言えます。
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