OODAループとは?PDCAサイクルとの違いと使い分け方

マネジメント

今回の記事は、OODAループについてお伝えします。

OODAループとは、

Observe観察
Orient情勢判断
Decide意思決定
Act行動

の頭文字をとったものです。OODAは「ウーダ」と読みます。

一見、PDCAと非常に似ているために混同されがちです。しばし「PDCAの次に来るのはOODAだ!」だなんて言われるものですから、PDCAに取って代わられるような概念なのだと思われがちです。しかし、PDCAとOODAとはどちらも両立するものであり、また、適宜使い分けなければいけないものです。

先に結論を申し上げますと、PDCAとOODAの違いは、以下の2点に要約できます。

  1. PDCAは「計画」から始めるのに対し、OODAは「観察」から始める
  2. PDCAは「計画の改善」が目的であるのに対し、OODAは「戦略やビジョンの迅速な実現」が目的

PDCAのフレームワークを使って何かを考えているときに「んー、なにかうまくいかないな」「何かしっくりこないな」と感じるときはありませんか?そんなときには、OODAループが助けになるかもしれません。PDCAとOODAを適切に使い分けられるように、双方の違いにも触れながらOODAループについて解説していきます。

OODAループとは

OODAループは、アメリカの戦闘機操縦士ジョン・ボイドが発明した意思決定方法です。孫子の兵法やトヨタの生産方式に多くの影響を受けて発展されています。ジョン・ボイドに長年従事していたチェット・リチャーズという人物が『OODA LOOPーー次世代の最強組織に進化する意志決定スキル』という本を出し、その応用が広まりました。この本が2019年3月に翻訳・出版(東洋出版新報社)されたことで、日本でもより一般的になることが予想されます。

先述したとおり、OODAループとは、

Observe観察
Orient情勢判断
Decide意思決定
Act行動

の頭文字をとったものです。

Observe:観察

環境を観察します。

環境には自分自身、敵、あるいはその物理的・心理的・精神的状況から、潜在的な敵味方にいたるまで、多様な概念が含まれます。

Orient:情勢判断

観察したすべてが何を意味するかについて情勢判断し、自らを方向付けなければなりません。

観察して得た情報を自らの遺伝的特質や、社会環境、過去の経験に基づく断片的なアイデア、情報、推測、印象などを組み合わせ、多面的な分析を行います。

Decide:意志決定

ある種の決定を行います。この決定の場面においては、情勢判断で行った分析に基づき、最適な意志決定を心がけます。

Act:行動

その決定を実行に移します。

さて、ここまでご説明したところで、このような図を思い浮かべると思います。

しかし、ボイド氏によると、これらの関係はもう少し複雑です。

多くの矢印が「観察」に向かっているのがご覧になれるかと思います。様々な情報が入ってくる中で、いかに素早く意志決定をするかを重視するのがOODAループなのです。

もう一つの特徴は、ミッションを前提としていることです。

ボイド氏は、このように述べています。

必要なのは、人間の性質に根ざした高潔で魅力に満ちたビジョンである。それによってまだ参加していない者を惹きつけ、支持者の精神力を高めることができるばかりか、競争相手や敵の献身や決意を蝕むこともできる。さらに、そのように統合された概念は、有無を言わせぬ説得力を伴うため、集合体や有機的全体を質的に進化させる触媒や標識として機能する。この質的向上によって、それらは名声を高めることができるのだ。

OODA LOOPーー次世代の最強組織に進化する意志決定スキル

私たちは、実現すべきビジョンが明確になって初めて、その実現方法やアクションを議論することができるのです。

PDCAとの違い

PDCAとは、ご存知の通り

  • Plan(計画)
  • Do(実行)
  • Check(評価)
  • Action(改善)

の頭文字をとったものです。

PDCAとOODAは、どのように異なるのでしょうか?

OODAは「計画」ではなく「観察」から始まる

PDCAは計画を練って、その計画を実行し、その結果を評価し改善するというサイクルを回すことで、自体の改善や効率化を目指すスキームです。しかし、長期的な計画があまり立てられない局面、めまぐるしく変化が起きるようなビジネス環境においては、役に立たなくなってしまうケースもあります。

特に最近は、アジャイル開発という言葉が流行っています。壮大な計画を立ててそれを実行に移すのではなく、細かくトライアンドエラーを繰り返しながら最適解を見つける開発手法です。情報化社会にともない、こまめにフィードバックを得て、頻繁に調整ができるようになった分、壮大な計画は徐々に意味をなさなくなっています

日本企業はしばし3ヶ年計画や5ヶ年計画といったものを立てます。しかし、アップルはそんなことはしないそうです。彼らに言わせると、3ヶ年計画は「夢」なのです。

OODAは「計画」ではなく「戦略」が前提

『OODA LOOP』(東洋経済新報社)では、計画と戦略を以下のように定義づけています。

計画現場から将来あるべき姿へと到達するための方法についての意図のことである
戦略計画を策定し管理するためのより高次な概念的装置である

すなわち、戦略とは計画よりも一つ高い次元の概念であり、「どうやっていくか」という方法ではなく、「どこにいくのか」という方向性を定義するものであるといいます。

実際の計画・実行を行う時、すなわちミッションを他者に命令する時の唯一の方法はこうであると、『OODA LOOP』では述べています。

  1. 今直面していることはこういうことです
  2. やるべきこととその理由はこれです
  3. これが注意すべきことです
  4. やってもらえますか

きちんと「戦略」=方向性を定義づけ、その理由や注意点を伝え、説明責任を果たした上で、「やってもらえますか」という主体性を引き出すためのコミュニケーションの取り方は、必ず意識しておきたいものです。

OODAループとPDCAサイクルの使い分け方

『OODA LOOP』のなかで、訳者の原田勉さんは、以下のようにまとめています。

中長期的な計画をたてて、それを徐々に改善していく場合はPDCAの活用にかなうものはありません。しかし、PDCAサイクルを回している余裕がないような、変化のめまぐるしい市場においては、OODAループが適切であると言えるでしょう。

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